<復興>

3月14日。前日の宿泊地ロッテルダムの町をバスで抜けながら、政治経済の中心地ハーグへ向けてバスは走り出した。
アムステルダムでレンガ作りの華麗なルネッサンス様式の家家を見慣れていた。運河に沿ってたつ重厚な建造物にヨーロッパの長く続く歴史の深さを実感していた。しかしロッテルダムではその印象は少ない。

ロッテルダムは世界に名だたる港を有している。
大戦中ナチスドイツの空爆にあったロッテルダムには高層ビルや斬新なデザイナーによるアパートメントが立ち並んでいる。現代建築の多い
古い歴史を感じさせる建物の少ない街だ。まるで未来都市に来たかのような印象さえ感じさせるほどだ。
ヨーロッパの街のイメージにどこか共通点を持っていた私にはロッテルダムはとても印象的な街だった。
キュービックハウスと呼ばれるブロム設計のアパートメント、エラスムス大橋、建築博物館。そこで暮らす人々の生活にまで興味が尽きない。
どんな人々がすんでいるんだろう?どんな風に生活しているんだろう?まるで見た事もない宇宙人に対する興味みたいだ。

戦争被害のマイナスの傷跡も人々の復興へのエネルギーによりこんなに新しい時代へ近づくのだと驚いてしまった。
苦しい出来事ほど人々のそれに対する力は大きくうわまわるのだろうか?人間ってホントに強い生き物だ。

政治の中心地であるハーグは、日本の永田町などの雰囲気とは違って、緑豊かな木立の中、人々が自転車で行き交うような街の中に最高裁判所や各国大使館などは隣在する。菩提樹などが植えられた通りに面して立てられた落ち着いた建物をアパートと見間違えば、それはスペイン大使館だったりする。静かな高級住宅地に何気なくたつこれらの建物に敷居の高さはない。
大型のバスがこの街の中へ入っていった時に、私はノンビリと歩いて回るのも悪くないな・・・と思った。
日曜日の公園の中に入りこんだような心に優しい空気が流れている。。。

この街の宮殿に住むベアトリクス女王が自転車に乗って買物に出かけるというのもうなずけるような、のんびりとした政治の中心地。

午後のハーグでの観光を終えるとバスは間もなくアントワープへ向けて走り出した。オランダからベルギーへのお国入りは思ったほど時間を要さない。到着後に起こった幸運はライトアップの美しいアントワープの街。。。

Rotterdam&Den Haag

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